第34回 全国町並みゼミ飛騨市大会 町並みを作る匠文化の継承

参加してきました。
すごく勉強になったので、思うところと内容をまとめてみました。
少々長いので、時間がない人は太字または赤字部分だけ読んでもらいたく。

まずはパネリストの紹介。

コーディネーター:
安藤邦廣(筑波大学教授)
板倉の仮設住宅(記事へ)を提案された方です。
伝統工法や日本の家作りを真剣に考えられてる方で、初めてお目にかかり、すっかり尊敬してしまいました。

パネリスト:
荒木正亘
(京町家棟梁塾塾長)→この人もすごかった!、
中村清光(金沢職人大学講師)
直井隆次(飛騨古川建築工会)


後ほど、内容紹介をしていくが、まずは当方の結論・感想から。

(お話の内容→自分なりの解釈・結論・感想)

・町並みを守るためには施主の教育が必要
 →飛騨高山の町並みを守るには、その良さをわかるように教育していくことが必要

・職人を育てるには仕事が必要
 →行政の協力や市民団体の構築、窓口の作成が教育・PRによって「仕事」を生み出していく。

・職人の技を可視化するとともに、職人の技への理解・尊敬・憧れを育む
 →職人としての誇りある仕事を心がけ、子どもへの仕事体験や、職人展などの機会を増やし、知名度の向上・地位の向上を図る。

・時代にあった、伝統建築を生み出していかなくてはならない。
 →伝統の上に、今の時代の流れを読み取り、より良い方向へと導いていく高い志と熱い思いで、これから生きていく。人を動かしていく。

・機械は使えるところは使う。しかし手の仕事の勝る部分は少なからずある。
 →機械を利用しないことにこだわらず、より良いものを作るため一手段として考える。在学中はなるべく手でやる。(最初に機械を知ってしまうと、さぼり癖がつくと思うので。


→このために町並みゼミに参加し、大いに収穫があった

→今後の仕事の方向性、生き方に対して大いなる薫陶を受け、立派な先人たちがいることを、うれしく、頼もしく、そして誇らしく思いました。


と、こんな感じです。自分が感じた良い部分が少しでも伝わればと思います。



では、ここからは内容の要約という形で紹介します。

まずは各パネリストからテーマに沿った発表

荒木棟梁より、棟梁塾の考え方、カリキュラム、実際の教育内容についての説明

・「日本の木造建築は世界一と思う。庶民の木造建築であり、木目や節のある材を手で撫でられ、その美しさを感じさせ、その優しさを見せる木造住宅・伝統工法の大元であるのが町家である」
・自分から棟梁とは言わない。人から棟梁と認めてもらえるのが棟梁。聞かれたことには答えられる。腕に地震があるのが棟梁。
・時には施主を説得し、住む人にも良さを納得して修復をして住んでもらう。町並みを守るためには、お客さんを教育することも大事。
専門性を深め、関係職種や文化・しきたりなど幅広い知識を持つことも必要
・5年のカリキュラムを組んでいるが、十分な技量に達しないものは、年をあけさせない。

中村氏より職人大学の取り組みの紹介

・月4回 3年間の講座/実習。修了後 金沢匠の技能士として認定される。
・その後3年のカリキュラムを終えると、よりレベルの高い、修復師の資格が得られる。
・学校の教材として、国や県の重要文化財の修理も行っている
・県が出す修復工事の入札の条件として、県の技能士や、修復師の資格を持った者が工事に関わる必要がある。
→行政と建築の組合企業がうまく連携し、技術とそれに関わる仕事をうまく守っている。


直井氏より、技術の継承について、どのように考えているのか、という発表

・町づくりに必要な3要件:・住民が望む・維持力がある・支援体制がある
・職人の不足対策と需要拡大のためには、職人の技への理解とあこがれが必要
技の可視化:なかなか表に出てこない職人の技や工夫を知ってもらう。良さをわかってもらう。
 →展示や木工教室の開催などを行っている
・眼力を育てる。祭りのしつらいや、伝統行事から美を感じる感覚を養う。
・作り手と受け手、双方の育成が重要
技にも民芸運動を

その後質疑応答があり、

Q.どれくらい若い人が大工になりたがっているか
→荒木氏:高卒者が多い。募集したら毎年20人程度集まる。
Q.どれくらいの若年者が良いか
→荒木氏:中卒が理想。身体も柔らかく身体で覚えられる。大学を出た者はどうしても頭で理解しようとする。若い人と競う中で焦りからか仕事が粗くなる。
 →中村氏:中卒。何も知らないほうが大工の世界では良い。

手仕事と機械の利用頻度、基準があるか聞いてみた。
→荒木氏:機械で出来るところは機械でやる。法隆寺の修復でもそう。ただし、最後は手で仕上げる。切れる刃物で美しく切った仕口は強度が違い長持ちする。(実験結果もある。)
→中村氏:機械でできない丸い材の加工などは手でやる。学校で教えるのは手でやる仕事。
→直井氏:機械仕上げで良しとする飛騨の大工はいない。皆、手がんなで仕上げるのが当然という文化。
    角材ばかりでなく、丸い材も使う。

→安藤氏:丸いままや曲がっている木材の方が繊維が切断されておらず、目が通っており、強度も強い。

 手仕事の活躍する部分は多いにあると思う。

その他、下記のような質問があった。
「飛騨にも、大工の技術を教える学校はあるか?」
→ない。(木工芸術スクールが高山にあるぞ。もっと有効活用を!)
「伝統工法の仕事は多くあるのか?」
→少なくなってきた。全体の1割に満たない。半分はプレハブ。残りのうち9割はプレカット
「大工の後継者はいるのか。」
→地域の特性か、いる。他の業種が増えたこともあり、若い人が残るケースがでてきた。



最後に安藤氏からのお話があったが、目からウロコ、過去と未来を見通したすばらしい意見だと
目が覚める思いがしたので紹介する。


・過去幾度も日本の木造建築の流れが変わりながら今に至っている
・そして、震災後の今、また木造建築の節目に来ている。
・応仁の乱の後の京都で、小さなスギの角材を有効利用した見事な京の町家ができ、
 木材が不足してきた時代には、土壁の工法が主流になった。
・大工の力は日本の木材を使っていく上で必要な技術です。
・新たに木材が豊富な時代になり、時代にあった木の建築を作ることが、仕事を生み出し、木造建築の技術を継承していくことにもなる。


この先生、ほんとにすごい。人生の先生です。

ふ~。
3時間の非常に濃い時間を過ごせました。
お疲れさまでした。


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